旅立ち

第1曲目「旅」
水車小屋で粉をひく仕事を得ようとする少年の、心の高揚が表現されています。5番まである歌詞の中で、1番では旅の楽しみ、2番では川の水の流れ、3番では水車、4番では石臼、5番ではお世話になった親方夫婦への感謝を歌います。

第2曲目「どこへ」
小川が流れる渓谷沿いに旅をする情景と、入り混じる未来への期待と不安が表現されています。晴れやかな空の中、谷間の源流から、爽やかな森を抜け、景色が開ける中、心の不安も次第に未来への期待へと変わっていきます。

第3曲目「止まってくれ」
ついに林の向こうに、水車小屋を見つけます。林の向こうから水車のきしむ音が聞こえ、次第に太陽に照らされた水車小屋が現れ、足を運んでいきます。

出会い

第4曲目「小川にのべる感謝」
理想の水車小屋にめぐり合い、その水車小屋にいた美しい娘に出会います。少年は、この水車小屋まで導いてきてくれた小川の流れに、やさしく感謝の言葉を述べます。

第5曲目「仕事じまいの夕べに」
水車小屋での仕事が終わった涼しい夕暮れの中、親方が皆を集めて語らい、最後にあの愛らしい娘がお休みの挨拶をします。少年は、自分が人並み程度にしか仕事が出来ないようでは、愛らしい娘の愛を得ることはできないと、いら立ちを感じます。

第6曲目「わけを知りたがる者」
少年は、日が暮れた花咲く小川のほとりで、満点の星空を眺めながら小川に向かって、娘が自分の事を愛しているかどうかをひっそりと尋ねます。

初恋

第7曲目「待ちきれない気持ち」
少年は美しき娘への愛の気持ちにあふれ、このあふれる気持ちを何とかして娘に伝えたいと気をもみます。すべての樹木や、小鳥たち、林を吹き抜ける風、少年の表情にのせて、「僕の心はいつまでも君のもの!!」と初恋の情熱で胸を焦がします。

第8曲目「朝の挨拶」
早朝、水車小屋の仕事に向かう途中、美しい娘が眠っているであろう部屋の窓を見つめて、心の中で朝の挨拶をします。少年は娘のかわいい寝顔を想像し、つぶらな青い瞳を持つその娘が、美しいブロンドの髪をなびかせて、その窓から姿を見せてくれないかと期待します。

第9曲目「粉屋の花」
小川の辺で咲く、可憐な青い花たちを、娘の青い可憐な瞳にたとえ、自分の娘への愛の気持ちを、花々に向かって語り掛け、初恋の甘い心の苦しみを歌います。

夢のような幸せ

第10曲目「涙の雨」
涼しい夕暮れ時、次第に月が登り、星が輝き始める中、少年と娘は仲良く小川の辺に腰を下ろし、銀色に輝く小川の流れを見つめています。少年は美しい景色には目もくれず、彼女の姿をじっと見つめます。幸せのあまりふと目から涙がこぼれ落ちると、川面に波紋が走り、娘は雨が降ってきたから帰るわね、とその場を立ち去ります。

第11曲目「私のもの」
娘との2人の時間を過ごした少年は、胸が張り裂けんばかりの喜びを得ます。この喜びの気持ちを、小川、水車、小鳥たち、花、太陽、広い世界すべてに向けて「美しい水車小屋の娘は私のもの!!」と叫び、心を震わせます。

緑のリボン

第12曲目「中休み」
少年は自分のギターを壁にかけ、緑色のリボンで飾りこう思った。今までは、ギターと共に娘への愛を歌いあげていたが、このあふれんばかりの幸せは、もう歌で現すことが出来ない。娘との愛の象徴として、我々を壁で見守っていてくれ。

第13曲目「ギターの緑のリボン」
娘が少年の部屋を訪ね、壁にかかったギターの緑色のリボンを見て、緑色が好きだというので、そのリボンを娘に贈った。その瞬間少年の好きな色も緑になり、娘への愛を示す色は緑色になった。

恋敵

第14曲目「猟師」
水車小屋の付近を通る若い猟師に水車小屋の娘が興味を寄せているさまを見て、激しい嫉妬心を猟師に向けてまくし立てる歌。猟師は小川に出てこないで森の中へ帰れ!!もじゃもじゃのひげを剃って、キャベツ畑を荒らす猪の退治でもしていろ!!とまくし立てる。

第15曲目「嫉妬と自負」
毎晩窓から顔を出し、猟師の帰りを待つ水車小屋の娘のさまを見て、娘に対する苛立ちと、少年の娘に対する愛の誠実さを、流れが激しくなっている小川に向かって訴える。

失恋

第16曲目「好きな色」
娘が好きだといっていた「緑色」が、愛の喜びの象徴から失恋の象徴へと変わり、森やローズマリン、芝生を見るごとに、娘と恋敵の猟師の事を思い出し、少年を失恋の絶望感に貶める。

第17曲目「嫌いな色」
娘が好きだといった緑色は、少年の中で嫌いな色になった。森や野や草の緑が、いつも高慢に意地悪く自分を眺めている気になり、皆刈り取ってしまいたいと心が荒れる。猟師の角笛の音が聞こえる中、彼が贈った緑色のリボンで髪を飾った娘が、嬉しそうに窓からのぞくさまを見て、心の中で水車小屋の娘に「さよなら」の言葉を叫ぶ。

小川のもとへ

第18曲目「枯れた花」
少年は以前水車小屋の娘から贈られた花を片手に、いつもの小川のほとりにいく。すでに枯れてしまった花々を眺めて、自分の初恋が終わってしまったことを悟り、深く絶望する。少年は自分の初恋の誠実さを、永遠のものにしようと心に決める。

第19曲目「粉屋と小川」
満月の夜、少年は花咲く小川のふちに立ちながら、じっと川底を眺めている。娘からの愛の象徴であった花が時間と共に枯れていくように、小川の花もいつか枯れ、満月もいつかは隠れる。しかし、ここで小川に身を投げれば、この花も満月も、愛の誠実も、自分の心の中で永遠になると思い、永遠の真の愛を求めて小川に身を投げる。

第20曲目「小川の子守歌」
この曲は、擬人化された小川から少年へ向けた歌である。1~2番では透き通った川に少年が次第に沈み込んでいく様が歌われ、3番は猟師に対し、4番は水車小屋の娘に対し、少年の心の平穏のため、去っていくように小川が促し、最後の5番では水車小屋のほとりを流れる小川が、いたいけな少年を母の愛で包み込むように、雲一つない満月の夜、川底で永遠の静かな眠りにつくことを祈って終わる。

(文責 志田雄啓)